CSRに関する意識について
2000年代以降、CSRの概念は急速に浸透し、法令順守、消費者対応、人権配慮などにバランスよく取り組む動きが産業界で広がりつつあります。
しかし企業で働く社員がCSRをどう理解し、どのような取り組みを必要と考えているかについては、それほど注目されていないのが現状です。
若手のCSRに関する意識は高くない
近年、関東地方に在住する20歳代の若手社会人ならびに就職活動中の学生に対し、CSRに関する意識調査が行われました。その結果によると、CSRについて「言葉も内容も知っている」と回答した学生や若手社員は3割前後にとどまっています。
「言葉は知っているが内容は知らない」、「言葉も内容も知らない」との回答が過半数を占める結果となっているのです。
就職先の選択にあたっては、新入社員、就職活動中の学生のいずれも「自分の適性や能力を活かした仕事ができるか」を最も重視しており、企業の取り組みや社会貢献度については、それほど関心が高くないという傾向が明らかとなりました。
また、就職活動中の学生は、企業が提供する商品やサービス、成長性など、企業そのものに注目するという傾向があります。
消費者の半数以上がCSRに高い意識
一方で、消費者に対するCSRの意識調査においては、CSRという言葉の内容を知っているとの回答が5割を超えており、約8割以上の消費者が、商品やサービスを購入する際に企業のCSRの取り組みを考慮すると回答しているのです。
CSRがしっかりとしている企業であれば、価格が多少高くても購入したいという回答も2割程あり、消費者の半数超がCSRに関して高い意識を持つことが明らかとなっています。
これらの結果から、CSRに関する自社の取り組みを、積極的に新入社員や学生に伝えていくことの重要性が示唆されます。
企業力を維持していくためには、CSRが経営の中核に位置づけられる重要な課題であることを伝え、若年者と企業とのギャップを埋める取り組みも検討するべきでしょう。
企業のCSRへの取り組みは積極的に行われないことも少なくありませんが、CSRへの取り組みが利益に直接影響することは、消費者の意識の高さからわかります。
この取り組みに力を入れるメリットは、企業に従来なかった新たな視点を取り込むことになり、新規事業開発にも役立つため、また新たな顧客獲得にも繋がる、という点です。
これらのCSRへの取り組みはNPO法人と連携して進められる場合もありますが、ソーシャルクッションではNPO法人とのマッチングやCSR内部監査支援等も行います。
内部監査は、コンプライアンスの徹底や見直し、サプライチェーンの事業運営が自社CSR方針に則っているかの検証などに役立ちます。
収益や信頼を得るためにCSRへの取り組みに力を入れてみてはいかがでしょうか。CSRへの取り組みの改善をお考えであれば、ぜひご相談ください。